筋トレの真実!筋トレ動作の根拠と真実

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トレーニングで大きな結果を出してきた人達は、本人が自覚しているかどうかは別として、サイトで指摘しているポイントを抑えています。ちなみに、そういう人ほど、周囲から余計な情報を入れずに自己流でトレーニングを開拓してきた人であったりします。彼らは根拠のない理論に縛られることなく、自分自身の自然な感覚を大事にしているが故に、体にとって自然な動作でトレーニングを行えているのです。もちろん、そんな彼らでさえ、動作の仕方から生じた怪我をするときは確かにありますが、検証してみると、その怪我は、明らかに原則からはずれた動きをしてしまった結果であるので、そういう意味では、自己流で自然に身につけた動作も、色々な方法を試しているうちに狂ってくる可能性があるということです。ですから、是非この連載を通じて、〝信じ込んで行う〞トレーニングではなく、〝理解した上で行う〞トレーニングをするようにして下さい。そうすれば、色々なトレーニングを試してみたとしても、「これは違うな」という部分がきちんと見えてくるはずです。

『張力』がなければ…

筋肉の発達を考える上で、どうしても除外できない大事な要素についてのお話です。それを大岡理論では『張力』と呼んでいます。これは〈引っ張る力〉と定義することがきます。この要素は非常に重要です。今回お伝えしたいことは、このことに集約できます。まず、瞬発力と表現されるような強い力を発揮するときには、瞬間的な筋肉の緊張によって力が発揮されているということを思い出して下さい。それは、関節の可動を目的とする収縮ではなく、瞬間的に負荷を受けようとする、もしくは、その負荷以上の反発を起こそうとしている動きなのです。トレーニングでウェイトを挙げる動作は、まさにこうした動きです。このことが理解できれば、強い力を発揮できるようになるためには、一連の動作の中でどの部分にポイントを置いて鍛えるべきかが見えてくると思います。もちろんそれは、瞬間的に力を入れているときです。ちなみに、そのときにとるべき筋肉のポジションは、最大収縮位置に近い位置であればあるほど良いということが分かります。より大きな負荷をより安全なポジションで受けることになり、しかも、最大収縮位置での破壊は最大筋断面積での破壊ですから、極めて効率の良い鍛え方になります。
そうなると、瞬間的に力を入れるポイントというのは、筋肉増強の全ての鍵を握るポイントに成り得ると言えますが、では、瞬間的な筋収縮なら何でも良いのかと言えば、それは違います。もう一つ必要な要素があるのです。それが『張力』なのです。我々は、負荷がかからなくても、意思によって筋肉を強く収縮させることができます。ご存知のように、これがマッスルコントロールと呼ばれる技術です。ただ、どんなにこの技術に長けていたとしても、そこに『張力』が存在しなければ、せっかくの強い収縮も無意味なものになってしまいます。ただ単に筋肉を収縮させているだけではダメなのです。そもそも筋肉を増強させるためには、筋肉の破壊を起こさなければなりません。そしてこの筋発達をもたらす筋破壊とは、短期で回復可能な規模の筋断裂を意味します。断裂である以上は、筋肉が収縮する方向とは逆の方向から力が加わる必要があります。それは〝筋肉を引っ張る力〞とも言えますから、まさに『張力』のことです。この力は、単に筋肉を収縮させているだけでは生じません。ただ、要は、〝筋肉を引っ張る力〞がかかれば良いわけですから、動かないものを押したり引いたりするだけでも、〝筋肉を引っ張る力〞を得ることはできます。例えば壁を手で押せば、押した力は手にも跳ね返り、これが結果的に、壁を押すために収縮させた筋肉を〝引っ張る力〞になるわけです。しかし、同じ『張力』でも、自然に加わるものとそうでないものとでは、大きな〝質〞の違いが生じてしまいます。これはトレーニングの〝質〞の違いにもつながります。

『張力』の質

『張力』質の違い図解『張力』質の違い図解

『張力』の質の違いについては、次のような2種類の上腕二頭筋のトレーニングで確認することができます(上記のイラスト1参照)。1つ目は、公園などにある鉄棒(小学生の頃、坂上がりの練習をするときにお世話になったアレです)を持ち上げるように、力を入れてみて下さい。2つ目はバーベルを使います。バーベルを鉄棒と同じ位置まで持っていき、そのまま鉄棒で行う場合と同等の負荷で維持してみて下さい。実験はこれで終了です。さて、どちらが『張力』を感じられたでしょう? その違いが『張力』の質なのです。
質の違いは一目瞭然です。筋肉に対する刺激や痛みは、バーベルのほうがはるかに強く感じられるはずです。バーベルによって得られる『張力』のほうがはるかに質が良いのです。負荷の強さは同じなのに、なぜこのようなことが起るのでしょう?
実は、たとえ鉄棒に加える力を強めたとしても、『張力』の質はバーベルを使うほうが上なのです。確かに動かない鉄棒に対しては精一杯の負荷がかけられるはずですが、『張力』自体は高められても、その質を高めることはできないのです。2つのトレーニングにおける『張力』の質の違いを生んでいるのは何なのでしょうか?答えは『重力』です。鉄棒の場合の『張力』は、意思によって作り出した人為的なものなので、継続的にかけ続けるにはどうしても限界があります。かけ続けるための精神的負担も相当なものです。それに比べてバーベルでは、『張力』を発生させるために頑張る必要がありません。そもそも重力を利用した負荷ですから、持っているだけで『重力』による一定の『張力』がかかり続けているのです。この場合の『張力』の発生は、意思とは無関係で自然発生的なものですから、当然弱めることができないのです。そして、この〈弱めることができない〉という点が、鉄棒の場合の『張力』と決定的に違う点であり、これこそが両者の質の違いになっているのです。

瞬間的に力を入れるのに最も好ましいポジションとは?

前述したように、〝瞬間的に力を入れるポイント〞が筋肉増強の全ての鍵を握る部分であるということでした。そのポイントでとるべき筋肉の状態は最大収縮位置が望ましいということも納得済みだと思います。そして、筋肉の最大収縮位置は、関節や腱にとっても最も望ましいポジションであると言えます。このポジションでは、支点が、負荷を受けるときに一番安定する位置になる必要があります。瞬間的な力の発揮ポイントで加わる負荷は特に強いものですから、骨格のポジションは、最も強い負荷に耐えられるポジションであることが望ましいのです。
最も強いポジションは、負荷が、骨格に対してどのような方向や角度で加わっているかを把握すれば自ずと分かります。本来は誰もが感覚的にその強いポジションを知っているはずなのですが、自覚していなかったばかりに、深刻な怪我を負っていることも少なくありません。単純な原則に当てはめて導き出せますから、この機会に知っておいて下さい。まず、骨格筋は、大きく分けると2通りあります。それは骨格を伸ばす方向に働く伸筋と、骨格を曲げるために働く屈筋です。

伸筋の場合

まず伸筋の場合を説明します。イラスト2の【伸筋の場合】を見て下さい。これは大腿骨の伸筋である、大腿四頭筋をモデルケースとした図です。簡略化したイラストですが、この状態から支点である膝関節がどのようなポジションで安全に負荷を受けることができ、どうようなポジションで危険にさらされるかがイメージできると思います。また、大腿四頭筋とそれに付着している腱にとっての安全な位置と危険な位置もイメージできるでしょう。この時点での筋力の発揮は、この上なく危険で無謀とさえ言えます。このことは、伸
筋を働かす場合の瞬間的な力の発揮に最も好ましいポイントが、膝関節が曲り始める初動であることを意味しています。

伸筋・屈筋の図解.jpg

屈筋の場合

支点に対する角度の変動値グラフ支点に対する角度の変動値グラフ次に屈筋の場合においてはどうでしょうか?これも原理としては同じです。ただ、地面に対しての骨格のポジションに違いがあります。上記のイラスト2の【屈筋の場合】見て下さい。今度は上腕二頭筋をモデルケースにした図です。ここでも、やはり肘関節が前腕にとっての支点になっています。さて、前腕が垂直を保っているうちは、前腕を倒さないようにするための上腕二頭筋の力は、伸筋の場合と同様、完全にバランスがとれていれば必要ありません。支点である肘関節も、最も安定した状態にあります。このときの肘関節の角度は90度ですから、その点では180度が最も安定した角度である伸筋とは違ってきます。さて、前腕が少しでも傾き肘関節の角度が90度以上になると、負荷がかかってきますが、上腕二頭筋自体は伸展していくことになりますので、支える力弱まっていきます。
そして180度になったとき、前腕を支える力は最大となるわけですが、同時に支点も消失してしまいます。こうなると、膝関節のときと同様、肘関節を固定している靱帯や腱で重量を支えるしかありませんから、やはり最も危険な位置であると言わざるを得ません(関節技の腕ひしぎ逆十字が決ってしまった状態です…)。そしてこのことは、屈筋を働かす関節の動作において瞬間的な力を発揮するのに最も好ましいポイントが、関節角度90度の位置であることを意味しているのです。ただ、注意して頂きたいのは、伸筋が180度、屈筋が90度と言っても、その角度とは骨と骨が作る関節角度ではありません。正確には、〝腱の付着部と骨の角度〞が90度になった状態です。骨と骨の角度で考えてしまうと、筋肉の最大収縮位置に達する手前の位置をとることになります。ですから、実際のトレーニングの際は、関節の角度を考慮することも、危険なポジションがどの位置かを知るために大事ですが、瞬間的な力を発揮するのに好ましい正確な位置の目安は、あくまで筋肉の最大収縮位置に置くべきでしょう。




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